コロナ禍で海外旅行ができないまま2020年が終わろうとしています。異国の地では自分の知らない文化にふれられ、街の風景や食べ物、ファッションなど目にするものすべてから刺激を受けます。そのひとつが、芸術との出会い。美術館へ足を運び、そこでしか見られない作品と対峙できるのは旅の醍醐味でもあり、人生の宝物にもなります。
そんな体験ができなくなった今、芸術との出会いを与えてくれる映画が届きました。
「ひとりでルーブル美術をめぐりたい!」そんな夢をかなえてくれる作品。
人気の美術館や展覧会にいくと人がいっぱい。満員電車のような状態で作品をゆっくり見られなかった…ということはよくあります。仕方がないこととはいえ、「誰もいない美術館でゆっくり作品を見たい」と夢見る人も多いはず。
その夢をかなえてくれる映画が2021年1月1日から公開される『ルーブル美術館の夜 ―ダ・ヴィンチ没後500年展』です。プラチナチケットで予約困難だったレオナルド・ダ・ヴィンチの大規模回顧展をルーブル美術館全面協力のもとで撮影された本作。数々の作品にくわえて担当学芸員の洞察が聞けるのも興味深く、ダ・ヴィンチを多角的に知ることができるドキュメンタリーです。
© Pathé Live
映画の幕開けは、ルーブル美術館閉館のアナウンス。そこからカメラは誰もいない館内を歩き、ダ・ヴィンチ展に行き着きます。そして、わたしだけのプライベートツアーがはじまります。
誰もが知っているダ・ヴィンチを、より深く、深く、知る。
美術にうとい人でも、名前は知られているレオナルド・ダ・ヴィンチ。そんな誰もが知っているダ・ヴィンチを、本作は時系列で深堀りしていき、より深く、深く、知ることができます。
正直なところわたしはダ・ヴィンチに詳しくなく、有名な作品を知っている程度。しかし、高精細カメラは作品群の細微な表現を肉眼よりもリアルに見せてくれ、ダ・ヴィンチ素人のわたしでもその美しさに圧倒されます。また、現存している作品は少ないものの、表現の振り幅が広いのもダ・ヴィンチの特長。本作では個性豊かな作品をそれぞれの背景とともに紹介してくれるため、自分好みのダ・ヴィンチ作品との出会いも与えてくれます。個人的には、植物図鑑を思わせるほど細かく描写している植物の素描にひとめぼれ。機会があれば、実際に見てみたい作品です。
もちろん、映画には誰もが知る作品が登場します。歳を重ねて旅をすることができなくなった「モナ・リザ」と大画面でゆっくり対面する、という夢みたいな体験も映画では可能なのです。
海外旅行ができない今、 “プライベートルーブルの旅”を映画で楽しんではいかがですか?
© Pathé Live © 2009 Musée du Louvre Stéphane Olivier
映画『ルーブル美術館の夜 ― ダ・ヴィンチ没後500年展』
2021年1月1日(金)より
大阪ステーションシティシネマ/MOVIX京都/神戸国際松竹にて公開
料金:大人2,000円 学生1,500円(税込)