映画『ふれる。』舞台挨拶レポート「3人の仲のよさが、フィルムからあふれている」

『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』『空の青さを知る人よ』の“心揺さぶる”青春三部作を手がけた、監督:長井龍雪、脚本:岡田麿里、キャラクターデザイン・総作画監督:田中将賀の3人が新たに挑むオリジナル長編アニメーション最新作、映画『ふれる。』が10月4日(金)より全国公開されます。

不思議な生き物「ふれる」と暮らす青年三人の友情物語を描いた本作で主人公である青年三人を演じるのは、King & Princeの永瀬廉さん、若手実力派俳優の坂東龍汰さんと前田拳太郎さん。小さなころから時間をともにしてきた幼なじみの関係を、リアルに演じ切っています。

公開を控えた9月20日(金)には、TOHOシネマズ梅田で舞台挨拶つき試写会を開催。長井龍雪監督とトリプル主演のひとり、井ノ原優太役を演じた前田拳太郎さんが登壇し、全力を尽くした作品がいよいよ観客に届く喜びを語ってくれました。

 

声優は夢。今は少しずつ、その実感が湧いている。

この日のMC・関西テレビアナウンサーの山本大貴さんの案内で登場した、長井龍雪監督と前田拳太郎さん。客席には歓迎のプラカードがいくつも掲げられ、多くの人がこの日を待ちわびていたことがうかがえます。

前田さんは、本作の重要キャラクター「ふれる」のぬいぐるみを手にしており、「今日は一日中、〈ふれる〉といっしょにいました。もう離したくないです」と愛おしそうにします。

今回の舞台挨拶は19時スタート。それまでにお二人は大阪の食をいくつか堪能されたそうで「たこ焼きや豚まんなど食べてばかりな気がするんですけど(笑)。このあとは、お好み焼きを食べたいですね」と前田さん。長井監督も「やっぱり粉ものを食べに行きたいですね!」と同調していました。

映画『ふれる。』舞台挨拶つき試写会の様子

 

作品の公開は10月4日です。公開日がいよいよ迫ってきたことへの実感を問われると、「本当に徐々にという感じで、少しずつ実感が湧いてきている」と長井監督。声優初挑戦の前田さんは、「声優をやることが夢だったので、まだフワフワした気持ちでいます。でも、こうやってみなさんが観てくれて、感想などを書いてくれたりするとちょっとずつ実感が湧いてきて、自分が声優になったと思えるような気がします」と声優・前田拳太郎への反応を楽しみにしているようでした。

映画『ふれる。』舞台挨拶つき試写会での前田拳太郎さん

 

俳優さんに優太のキャラクターははむずかしいのでは? と不安だった。

本作のキャスティングにはオーディションが行われ、主人公である3人の幼なじみ、小野田秋役の永瀬廉さん、祖父江諒役の坂東龍汰さん、井ノ原優太役の前田拳太郎さんも多くの応募者の中から選出されています。

前田さんを選んだ理由について長井監督は「前田さんは本当にアニメが好きなんです。(前田さん演じる)優太はアニメっぽい演技をすることが多いキャラクターで、正直なところ、俳優さんのなかで選ぶのはむずかしいのでは? と不安でした。そこに前田くんは見事にハマってくれた。事前にいろんな研究をしたうえでオーディションに挑んでくれ、こちらとしては大助かりでした」と明かしてくれます。

それを聞いた前田さんは「褒められてしまいました(笑)」と少し照れつつも、「ぼくは監督の作品のファンなので、今もこうやっていっしょに舞台に立ってお話をしているのが夢のようです。今回、監督の作品に携わるチャンスが来て、オーディションでの役づくりも自分のなかでいろいろ試行錯誤しながらしっかり考えて挑みました。こうやって結果につながって、自分の声がアニメの映像として流れるのはすごくうれしいです」。

実は前田さんは、去年(2023年)の時点で〈来年(2024年)の目標は声優業をすること〉と掲げていたそう。「2023年に〈声優への挑戦を来年の目標にしよう!〉と思っていたら、その年の年末にオーデションの話を聞いて、“ぼくの夢をかなえる場所はここだ”とオーディションに挑みました。そして、目標としていた年(2024年)に映画が公開されるなんて、本当にうれしいですね」と目を輝かせます。

映画『ふれる。』舞台挨拶つき試写会での長井龍雪監督

 

スタッフ一同で「ふれる」のかわいさを追求した。

主人公の3人は島で育った幼なじみで、20歳になった現在でも親友同士です。そのため、演じる永瀬さん、坂東さん、前田さんはいっしょにブースに入って収録を行いました。

前田さん当時を振り返り、「男子校みたいな雰囲気でアフレコをしていました。ぼくは人見知りで自分から話しかけるのがニガテなタイプなのですが、永瀬さんと坂東さんがたくさん話しかけてくれて良い雰囲気をつくってくれました。この作品は3人の幼なじみの雰囲気がすごく大事です。お二人に引っ張ってもらって入りやすかったし、すごく助かりました」。さらに、俳優同士もリアルに仲良くなったようで「その雰囲気をスクリーンから感じ取れると思います。楽しみにしてほしいですね」と付け加えます。

その3人の中心にいるのが、不思議な生き物「ふれる」。とても愛らしい造形で、ぬいぐるみを抱く前田さんも、「この子はかわいい♪」とメロメロです。それを見た長井監督は「今、前田さんがいっぱいさわってくれていますが、本編内ではちょっと痛くてさわれないという設定になっています。体毛もトゲのイメージなので、ちょっとハリネズミぽいんです」と少しネタバレを加えながら説明します。とはいえ、愛くるしさには強くこだわり、「(キャラクターデザインの)田中さんを筆頭に、作画スタッフや音響スタッフ一同でかわいさを追求した」そう。この「ふれる」の姿や動き、表情は本当にキュートなので、ぜひ映画館で確認してください。

映画『ふれる。』舞台挨拶つき試写会の様子

 

大切な人に自分の気持ちを伝えたくなる、やさしい作品。

今回の舞台挨拶は上映前に行われています。これから鑑賞する方々への注目ポイントを尋ねられた前田さんは、「ぼくはカラダが大きいほうなのですが、優太はちっちゃくてかわいい見た目をしています。優太の声をどういうふうにつくっていこうかと、すごく悩みました。そのギャップを観ていただけるのではないかと思います」と、普段の俳優・前田拳太郎と声で演じた優太の違いを楽しんでほしいとコメントします。

見た目にギャップがあっても内面では優太との共通点を多く見つけられたようで、「優太にはちょっと卑屈気味になってしまったり、コンプレックスを感じてしまったりする部分があるのですが、ぼくにもそういう部分があってすごくリンクしました。本編には優太のそうした気持ちを話す大事なシーンがあるので、注目していただけたらうれしい」と述べます。つづく長井監督の注目ポイントは、主役たちの関係性。「メインの3人の〈実際に仲がいい!〉という感じがフィルムからあふれていますので、ぜひ注目してください」と熱く語っていました。

 

舞台挨拶も終わりが近づき、集まったファンたちへのメッセージが届けられます。

「本日はお集まりいただき、ありがとうございます。映画『ふれる。』は、人と人とのつながりを大切にしている作品です。映画を観たあとに大切な人や好きな人に自分の気持を伝えたくなるような、やさしい作品です。あたたかい気持ちで、笑顔で帰っていただければうれしいです」と前田さん。

最後は長井監督が「公開キャンペーンがはじまり、いろいろなインタビューで〈いかにこの3人が(主人公に)ふさわしいのか〉ということを伝えてきました。今回、実際に観ていただいて、ぼくのいっていることが〈本当だった!〉と確かめてもらえる機会が来たとうれしく思っています。本編の公開は10月4日です。この映画に何かしら心にふれるものがあれば、いっしょに応援いただければと思います」と締めくくり、会場はあたたかい拍手で包まれました。

映画『ふれる。』舞台挨拶つき試写会の様子

 

映画『ふれる。』

2024年10月4日(金)より、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、MOVIX京都、TOHOシネマズ二条、OSシネマズミント神戸などで公開。

公式サイト:https://fureru-movie.com/

公式X:https://x.com/fureru_movie

©2024 FURERU PROJECT

masami urayama

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