映画『カラオケ行こ!』舞台挨拶レポート いいメンバーとつくれたのが、この映画のチカラ。

「く・れ・な・い・ダァーーーーッ!!」と映画館を出たその足でカラオケに行って叫びたくなる映画『カラオケ行こ!』。和山やまさんの大人気漫画を原作とし、漫画のもつユニークで危うい雰囲気を絶妙なバランスで実写化しています。

1月12日の公開から熱いコメントがSNSにあふれ、原作ファンからも高い支持を得ている本作。その熱気を受け、大阪でも舞台挨拶が実現! 山下敦弘監督をはじめ齋藤潤さん、八木美樹さん、井澤徹さんといったフレッシュな若手俳優が勢ぞろいし、大ヒットのお礼を伝えました。

 

齋藤さんの関西弁は100点。

大ヒット記念舞台挨拶は1月27日(土)にTOHOシネマズなんばで開催。映画を鑑賞したばかりの熱量高いお客さまの大きな拍手に迎えられ、山下敦弘監督、齋藤潤さん、八木美樹さん、井澤徹さんが登壇しました。

まずは、山下監督が「この映画は大阪が舞台ですけど、実は大阪で撮っていなくて。今日は大阪のお客さんの前でちょっと緊張しています」と恐縮しつつあいさつ。合唱部部長の中学3年生・岡聡実役の齋藤さんは「大阪にお邪魔して舞台挨拶ができるのは、映画館に足を運んでくださっているみなさまのおかげ」と感謝を伝えます。つづく合唱部副部長・中川役の八木さんと映画を見る部の栗山役の井澤さんは関西の出身。「出身地である大阪で舞台挨拶ができてうれしく思います。今日は最後までよろしくお願いします」と八木さん。また、井澤さんは今日がはじめての舞台挨拶だそうで「とても緊張しています。みなさまと楽しい時間にできたら」と初々しい言葉を発していました。

映画『カラオケ行こ!』大ヒット御礼舞台挨拶・大阪の様子

 

あいさつ後のトークでも関西・大阪についての話題に。山下監督が「大阪のお客さんは関西弁にきびしいから、プレッシャーがありました。(本作の関西弁が)どうだったのか? ちょっと気になります」と口にすると、会場にいる人々は拍手を送り〈大丈夫だったよ〉というメッセージを伝えます。

関東出身の齋藤さんも関西弁になじみがなく、むずかしかったと打ち明けます。「ぼくは現場経験が少ないので、お芝居するだけでも精一杯。そこに関西弁が加わり、現場で何回もつまずくことがありました。でも、映画が公開されて関西の方々から〈関西弁よかったよ〉といった声が聞けて。うれしかったし、がんばってよかったと思いました」。そんながんばりを近くで見ていた関西出身の八木さんと井澤さんは齋藤さんの関西弁を絶賛し、「支度のときからずっとブツブツと練習していました。ぼくから見ると100点です」と井澤さん。関西人からお墨つきをもらえ、齋藤さんは「ありがとうございます!」と満面の笑顔を見せていました。

映画『カラオケ行こ!』大ヒット御礼舞台挨拶での齋藤潤さん

 

映画を見る部は、ぼくも好きなシーン。

原作となっている和山やまさんの漫画は短編。映画ではオリジナル要素を加え、ストーリーにふくらみをもたせています。そのふくらみが齋藤さん演じる岡聡実の学園生活のシーン。合唱部副部長・中川や映画を見る部の栗山は物語のアクセントとなる重要なキャラクターとしてオリジナルで造形されています。「原作を読んでも(中川は)ほぼしゃべっていなかった。ずっと〈どうしよう〉って考えながら演じていました」と告白する八木さん。思わず「わたしの中川像はどうでしたか?」と山下監督に訊き、監督は「完璧でした」と回答。「学園生活のシーンは現場でつくっていきました。みんなといっしょにやる感じで、すばらしかったです」と満足していることを表します。

映画『カラオケ行こ!』大ヒット御礼舞台挨拶での八木美樹さん

 

聡実と栗山が2人の時間を過ごす映画を見る部のシーンも印象的で、栗山は登場回数以上にインパクトを残すキャラクターです。演じた井澤さんは「栗山はあまり感情をださないんです。(合唱部・後輩の和田が映画を見る部に乗り込んでくるところで)和田にブチギレたかったけど、それだと栗山像が壊れてしまうから(怒りは)内に秘めるようにしました。あのシーンはすごくむずかしかったですね」と振り返ります。

齋藤さんも映画を見る部は重要な部分だといい、「聡実が何も考えずに本音をしゃべれる環境で、映画の話をつないでくれるシーンでもある。丁寧に繊細に演じられたらいいなと思って、(井澤さんと)関西弁を練習したり、セリフ合わせをしたりして試行錯誤しながらやっていました」と当時を思い返して教えてくれます。

また、映画を見る部の撮影は合唱部などの学園シーンと違う学校で行われたため、栗山役の井澤さんは聡美を演じた齋藤さんと和田役の後聖人さんの2人とした現場で顔を合わせていないそう。だからなのか、映画を見る部は、部室も、部員である栗山も、独特の雰囲気をまとっています。山下監督は「その孤独感というか、ストイックさみたいなところがよかった。(映画を見る部は)ぼくも好きなシーンです」といいます。

映画『カラオケ行こ!』大ヒット御礼舞台挨拶での井澤徹さん

 

変声期真っ只中のリアルな『紅』になった。

今回は観客からの質問を受け付けるティーチイン舞台挨拶。お客さんから〈八木さん演じる中川が「わーだー」というセリフのイントネーションについて〉や〈映画を見る部の撮影時のエピソード〉、〈みんなの反抗期の思い出〉などの質問が飛び出し、登壇者たちは思案しつつ答えていきます。

最後の質問は、齋藤さん演じる聡実がX JAPANの「紅」を歌唱するシーンについて。〈自身の声変わりとリンクしているのか〉と問われると、「撮影当時、ぼくも変声期でした。お芝居だという前提はありますが、歌唱シーンは変声期のぼくの実際の声のままレコーディングしていて本当にリアル。変声期の真っ只中で悩んでいるままの『紅』になったんじゃないかなと思っています」と齋藤さん。

映画『カラオケ行こ!』大ヒット御礼舞台挨拶での齋藤潤さんと井澤徹さん

 

この歌唱シーンは物語のクライマックス。山下監督はどうエモーショナルに撮るのか、ということにこだわっていたそうで、齋藤さんは見事に応えます。「クラインクインまでに大阪弁の練習と歌のレッスン、リハーサルもあって、短い期間にすごくがんばってくれました。撮影時のぼくは“当たり前”のような顔をしていたけれど……本当にありがとうございます」と感謝。それを受けた齋藤さんは「ありがとうございます!」と喜び、「ぼくの『紅』は大丈夫だったのかな…」とぽつり。山下監督は改めて「大丈夫です!」と太鼓判を押していました。

映画『カラオケ行こ!』大ヒット御礼舞台挨拶での山下敦弘監

 

何度観ても飽きない、中毒性のある映画。

ティーチインからフォトセションとつづき、最後は登壇者があいさつ。

齋藤さん「この作品をたくさんの方に観ていただけて、毎日、毎日、幸せを噛み締めています。和山やまさんの作品で、山下監督とステキなスタッフ・キャストに囲まれながら撮影できたのは、ぼくのなかですごく大きな経験になりました。まだ公開中です。みなさまからまわりの方におすすめいただいて、この映画を最後まで盛り盛り上げられたらと思っています。本日は楽しかったです。ありがとうございます」

八木さん「どの世代の方でも楽しんでもらえる作品で、何度観ても飽きない中毒性があると思っています。今日の帰り道はぜひ、リトグリ(Little Glee Monster)さんの『紅』で余韻にひたりながら帰ってください!」

井澤さん「今日ここに登壇させてもらえて幸せです。そして、たくさんの方が何回もこの映画を観てくださっていると聞いて、本当にうれしいし、感謝しかありません。 観れば観るほど味わい深い映画です。これからもよろしくお願いいたします」

山下監督「ぼくは〈何をつくるか〉ということ以上に、〈誰とつくるか〉が重要だと思っています。今回、お客さまに満足してもらっているのは、いいメンバーとつくれたから。いい原作、いい脚本家、いいスタッフ、いいキャスト……、一期一会で集まったメンバーがすばらしく、それが映画のチカラになっています。まだまだヒットすれば、このような舞台挨拶ができて、またみんなと会えます。まわりに宣伝してください。今日はどうもありがとうございました」。

監督とキャスト、それぞれの想いが届けられ、映画を楽しんだ観客からのあたたかい拍手に包まれて舞台挨拶は終了しました。

映画『カラオケ行こ!』大ヒット御礼舞台挨拶・大阪の様子

 

映画『カラオケ行こ!』

2024年1月12日(金)からTOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ二条、MOVIX京都、OSシネマズ神戸ハーバーランドなどで公開中。

■公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/karaokeiko/

©2024『カラオケ行こ!』製作委員会

配給:KADOKAWA

masami urayama

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