「MUCA展 ICONS of Urban Art 〜バンクシーからカウズまで〜」今のアートを京都で

アーバン・アートと現代アートに特化したドイツ・ミュンヘンの美術館「Museum of Urban and Contemporary Art (MUCA)」のコレクションを紹介する展覧会『MUCA展 ICONS of Urban Art 〜バンクシーからカウズまで〜』が京都市京セラ美術館で開催中です。(〜2024年1月8日まで)

「MUCA(ムカ)」の1,200点以上のコレクションの中から厳選した約70点もの作品が来日し、バンクシーやカウズなど〈今、観て、感じるべきアート〉を発信しているアーティスト10人の作品と、作品をとおして伝えられるメッセージを間近で体験できます。

 

日本初上陸! バンクシー「アリエル」を展示。

アーバン・アートは現代の都市空間で発達した視覚芸術をさし、20世紀から21世紀にかけて世界各国の〈街〉を舞台に発表されているアートのスタイル。ストリートや建物の壁、広告物などをキャンバスにし、自由なアイデアとテクニックで唯一無二の創造を実現しています。アーバン・アートの作品たちはどれもユニークであるとともに、社会的で政治的な強いメッセージを発信。作品と対峙する者たちはアーティストからの課題提示を突きつけられ、おもしろい、かっこいい、かわいい表現の向こうから「この状況をあなたはどう思う?」と問われるのです。作品を介して、今の世界を考えることを促される、それもアーバン・アートの魅力のひとつなのではないでしょうか。

 

「MUCA(Museum of Urban and Contemporary Art)」は、アーバン・アートと現代アートに特化したドイツ・ミュンヘンの美術館。25年以上にわたって収集活動を続けてきたクリスチャンとステファニー・ウッツ夫妻によって2016年に設立されました。開館以来、ポップ・アートからニューリアリズムまで、都市環境の中の芸術、抽象絵画、社会・政治問題など多様なテーマを扱い、影響力を拡大し続けています。

「MUCA展 ICONS of Urban Art 〜バンクシーからカウズまで〜」会場の様子

『MUCA展 ICONS of Urban Art 〜バンクシーからカウズまで〜』ではMUCAが誇る現在1,200点以上のコレクションから厳選した約70作品を紹介。日本初上陸となるバンクシーの「アリエル」など、MUCAコレクションを代表するアーバン・アートの〈アイコン〉とも呼ぶべき作品の数々を展示しています。

BANKSY《アリエル》 2017年

 

バンクシー、カウズ、バリー・マッギーなど10名のアーティスト作品が一同に。

本展には、世界的な活躍を見せるアーティストにスポットをあてて紹介。今、観て、そのメッセージを感じてほしい10人のアーティストの作品が並びます。

◆BANKSY | バンクシー

◆KAWS | カウズ

◆BARRY MCGEE | バリー・マッギー

◆OS GÊMEOS | オス・ジェメオス

◆INVADER | インベーダー

◆SHEPARD FAIREY | シェパード・フェアリー

◆RICHARD HAMBLETON | リチャード・ハンブルトン

◆JR | ジェイアール

◆SWOON | スウーン

◆VHILS | ヴィルズ

どのアーティストもルールや規則にとらわれない自由な発想と思考をもち、アートの概念から外れるユニークなアイデアで作品を創造。作品たちもアーティストの強いメッセージを内包しています。

とはいえ、堅苦しく考える必要はありません。ポップでおしゃれ、かっこいいアートばかりで、目で観て単純に楽しめる魅力も満載です。

「MUCA展 ICONS of Urban Art 〜バンクシーからカウズまで〜」会場の様子

 

例えば、インベーダーの「ルービックに捕まったシド・ヴィシャス(2007)」。多面カラーをもつルービックキューブを素材にし、カラフルかつシンプルにセックス・ピストルズのベーシストであるシド・ヴィシャスを描いています。枠の中に閉じ込められることを何より嫌ったパンクのアイコンを作品の中に閉じ込める。それも、商業的に大ヒットした頭脳玩具を素材にして。

インベーダーの作品は鑑賞するだけでワクワクします。でも、そこに込められたメッセージはなに? と考えると深みにハマり、バラバラになったパズルを前にしたような気分にもなったりします。そんな多面的なおもしろさを味わえるのも本展の楽しみです。

INVADER《ルービックに捕まったシド・ヴィシャス》 2007年

 

展示をとおして、今の世界に思いを馳せてもらえれば。

2023年10月19日(木)にはプレス内覧会が開催され、MUCA館長 クリスチャン・ウッツさん、京都市京セラ美術館副館長 小林中さん、美術評論家/エヌ・アンド・エー株式会社代表取締役 南條史生さんが出席。

左から、南條史生さん、クリスチャン・ウッツさん、小林中さん

 

クリスチャン・ウッツさんは「伝統あるすばらしい京都市京セラ美術館にてアーバンアート・現代アートである『MUCA(ムカ)展 ICONS of Urban Art 〜バンクシーからカウズまで〜』を開催する機会をいただき誠にありがとうございます。MUCA美術館コレクションは、はじめてドイツを出て日本ツアーを開催していますが、今回京都というすばらしい環境で、伝統ある京都市京セラ美術館に新設された東山キューブにて展示できるのは意義のあることだと感じています」とあいさつ。

さらに、本展は京都市京セラ美術館がもつ90年の歴史のなかで開催される〈はじめてのアーバン・アート展覧会〉。ウッツさんはとても光栄だと喜び、「MUCA美術館の展示をとおして、今世界で起きていること、状況に思いを馳せていただける機会になれば」と述べて作品たちのメッセージが多くの人に届くことを願っていました。

内覧会であいさつするMUCA館長クリスチャン・ウッツさん

 

「MUCA展 ICONS of Urban Art 〜バンクシーからカウズまで〜」会場の様子

 

「MUCA展 ICONS of Urban Art 〜バンクシーからカウズまで〜」

期間:2023年10月20日(金)〜2024年1月8日(月・祝)

休館日:月曜日(祝日の場合は開館)、年末年始(2023年12月28日〜2024年1月2日)

開館時間:10:00〜18:00(最終入場は17:30まで)

【夜間延長開館】11/11(土)のみ 20:00 まで(最終入場は19:30)

会場:京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ

入場料(税込):〈一般〉土日祝 2,100円/平日 1,900円、〈大学・高校生〉1,400円、〈中学・小学生〉800円

※未就学児無料

※障がい者手帳等を提示の方は本人及び介護者1名まで無料(確認できるものをご提示ください)

公式サイト:https://www.mucaexhibition.jp/

masami urayama

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