展覧会「ルーヴル美術館展 愛を描く」 京都でルーヴルの〈愛〉と出会う。

古代以来、西洋美術の根幹をなすテーマ〈愛〉。フランス・パリにあるルーヴル美術館の愛を表現した絵画がそろう展覧会「ルーヴル美術館展 愛を描く」が、京都市京セラ美術館にて開催されています。(〜9/24まで)

ルーヴル美術館の膨大なコレクションから精選された愛の作品たちには、フラゴナールの《かんぬき》やジェラールの《アモルとプシュケ》など西洋絵画の傑作がずらり。16世紀から19世紀半ばまでの西洋各国における主要画家が描いた名画を通して、さまざまな〈愛〉と出会えます。

 

神話や風俗、宗教のなかの〈愛〉のストーリーを名画で。

ルーヴルのスペルは「LOUVRE」、よくみると「LOVE」が含まれています。つまり、〈ルーブルには、愛がある〉というわけです。(これを発見した人、すごい!)

この「愛(LOVE)」というものは、人間の根源的な感情。古代からあらゆる芸術作品のテーマとなり、絵画でも神話画や風俗画、宗教画において数え切れないほどの名画が残されています。もちろん、世界最大級の美術館・ルーヴル美術館も数多く所蔵。38万点以上あるといわれるコレクションから〈愛〉をテーマにした名画73点を厳選し、古都・京都に集結させたのが「ルーヴル美術館展 愛を描く」です。

「ルーヴル美術館展 愛を描く」会場の様子

古代・神々の愛、キリスト教の愛、恋人たちの愛、家族愛、官能の愛、悲劇の愛…愛にはさまざまなカタチがあります。これらは善良なものばかりではなく、欲望や嫉妬にまみれて目を背けたくなるものも存在します。ルールがある社会生活において善悪の判断は正しくされるべきですが、絵画では〈良きもの=美しい、悪きもの=醜い〉とならないのがおもしろいところ。優美な作品のなかに身勝手な欲望のストーリーが潜んでいる、なんてこともたくさんあるのです。

「ルーヴル美術館展 愛を描く」会場の様子

 

フラゴナールの《かんぬき》が26年ぶりに来日!

本展に集結しているのは、16世紀から19世紀半ばまでヨーロッパ各国で活躍した主要画家の絵画たち。誰もが知る傑作から隠れた名画まで、日本初公開作品も含めた73点の作品が来日しています。

 

会場内は第1章から〜第4章で構成され、第1章へとつながるプロローグでは18世紀フランスの巨匠フランソワ・ブーシェの《アモルの標的》を展示。古代神話で愛の神とされるアモル(Amor)の射た矢が標的に刺さり、恋人たちの愛が誕生するストーリーを愛らしく表現しています。このアモル(キューピット)は、ほかの絵画にもたびたび登場。愛を誕生させたり、子どもを見守ったり、退屈して眠っていたり、表情豊かな姿を見せてくれます。〈アモルを探せ!〉というミッションをもって作品を鑑賞しても楽しいのではないでしょうか。

 

第3章では、本展のみどころのひとつ、18世紀フランス絵画の至宝ジャン=オレノ・フラゴナールの《かんぬき》を展示。日本での公開は26年ぶりとなる名作に描かれているのは、暗い寝室のなかで男性がかんぬきをかけた瞬間。男性の力強い腕には女性が抱かれ、その表情は困惑しているとも、陶酔しているとも受けとれます。見る者によって解釈が変わるので、対峙してフラゴナールが表す愛のストーリーを感じとってみてください。

「ルーヴル美術館展 愛を描く」会場の様子

 

〈19世紀フランスの牧歌的恋愛とロマン主義の悲劇〉をテーマとした第4章で飾られているのは、ウジェーヌ・ドラクロワの《アビドスの花嫁》やクロード=マリー・デュビュッフの《アポロンとキュパリッソス》など。ドラマティックな作品が並ぶなか、フランソワ・ジェラールの《アモルとプシュケ》、または《アモルの最初のキスを受けるプシュケ》は若者たちの愛らしく幸せな姿を届けてくれます。若きアモルが美しいプシュケの額にそっとキスするシーンは、とてもロマンティック。〈愛っていいものだな〉と、ふんわり幸せな気分に浸れます♡

 

〈愛はどこにでもある、と同時に、本当はどこにあるのか〉。これが本展覧会の本質的な問いかけだそう。会場をめぐり、西洋の名画家たちが表現する多様な愛のストーリーと出会える本展は、〈愛ってなんだろう〉と改めて考えるきっかけにもなるのではないでしょうか。

「ルーヴル美術館展 愛を描く」会場の様子

 

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「ルーヴル美術館展 愛を描く」

期間:2023年6月27日(火)〜9月24日(日)

開館時間: 10:00〜18:00(入場は閉場の60分前まで)

休館日:月曜日 ※ただし、7月17日、9月18日は開館

会場:京都市京セラ美術館

観覧料:一般2,100円/高大生1,500円/小中学生1,000円

※7月8日、9日、15日、16日は小学生無料観覧日。

※そのほか企画チケットあり。

※未就学児無料。

※学生料金でご入場の際には学生証をご提示ください。

※障がい者手帳などをお持ちの方(要証明)と同伴される介護者1名は無料。

展覧会の詳細は公式サイトをご覧ください。

公式サイト:https://www.ytv.co.jp/love_louvre/

masami urayama

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