永遠の「カワイイ」はここからはじまった―――2020年に創業60周年を迎えた株式会社サンリオ。日本のキャラクター文化の先駆者である同社からは、ハローキティやマイメロディなど世界で広く愛されているキャラクターが生まれています。
サンリオの歴史から日本のカワイイ文化の誕生と発展をめぐる展覧会「サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史」が、10月7日(金)から京都市京セラ美術館で開催されています。(〜12/11まで)
子どものころに夢中になったキャラクターや今でも愛してやまないキャラクターたちに囲まれる〈幸せしかない空間〉で、「カワイイ(はーと)」と叫んでください♪
貴重な資料から、「カワイイ文化」の誕生と発展にふれる。
サンリオ史上最大規模の展覧会である「サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史」。創業当時からのグッズやデザイン画など貴重な資料からサンリオの足跡をたどります。つまりそれは、日本の「カワイイ文化」の歩み。日本のカワイイが、どのように生まれ、育まれ、発展していったか? 現在はすぐそこに当たり前にある〈わたしたちのカワイイものたち〉の歴史にふれられる展覧会になっています。
カワイイのはじまりは、「いちごグッズ」から。〈人を感動させる〉ための「ギフト」をサンリオは制作するのですが、そのモチーフとして選んだのが「いちご」です。『いちご新聞』などサンリオを象徴するモチーフがその誕生から使われ、今も受け継がれている。サンリオのカワイイ精神の原点にふれられたような気がして、心打たれました。
また、ティーカップやハンカチなど展示されているアイテムは、どれもかわいらしくて愛らしいものばかり。今でも色あせないそれらアイテムを見ても、当時の〈ファンシー〉とは一線を画した〈かわいい〉ものが誕生したことがわかります。
サンリオは出版業にも進出します。「サンリオSF文庫」など大人向けの本から、幼児向けのものまでバラエティに展開。1976年に創刊した漫画雑誌『LYRICA〜リリカ〜』には、手塚治虫、水野英子、ちばてつや、石ノ森章太郎、山岸凉子など、そうそうたる作家が執筆しています。マンガ好きとしては、「こんな作家さんも描いていたの!?」という発見があってとても楽しめました。
そして、サンリオの出版として忘れてはならないのが、『いちご新聞』。1975年から発行されているサンリオの機関紙で、誰もが一度は読んだことがあるサンリオファンおなじみの新聞です。本展には、『いちご新聞』もずらり展示。記事を見直してみると、各キャラクターやグッズの紹介だけでなく、それらがどのようにして生まれたか? などの情報を子どもでもわかるよう丁寧に伝えてくれています。ファンへの想いがギュッと詰まった新聞であることが感じ取れ、改めて胸が熱くなりました。
好きなキャラクターやグッズに囲まれる幸せを♪
サンリオはこれまで、450以上のキャラクターを世に送り出したそうです。ハローキティやマイメロディなど大人気のキャラクターはもちろん、パッと登場してサッといなくなった密かなキャラクターもたくさん。しかし、それらある意味マイナーなキャラクターでも、子どもの時代の記憶にインプットされているものです。本展で一堂に会しているキャラクターたちをひとつひとつ見ていると記憶の引き出しが開かれ、「この子、いたー!」とつい声がでてしまいます。
また、キャラクターグッズも大集合。「コレ、もっていた!」「アレ、ほしかった!」と大盛りあがりし、サンリオショップでほしいものに囲まれ目を輝かせていたころに戻った気分を楽しめます。
有名・無名を問わず、サンリオのキャラクターには多くのファンがいます。自分が好きなマイ・キャラクターは、子どものころも、今も、いっしょにいて、暮らしにトキメキを与えてくれているのではないでしょうか。(ちなみに、わたしはパティ&ジミーが子どものころから大好きです)
本展には、これらキャラクターの原画など貴重な資料も展示しています。クリエイターたちがどのようにキャラクターを誕生させたのか。その想いと背景にある物語を知ることができれば、キャラクターへの愛はさらに増します。
大好きなキャラクターにふれて、知って、もっと好きになれる。「カワイイ(はーと)」を連発して、笑顔になる!
そんな〈幸せしかない〉空間をめぐると、「カワイイ文化」の偉大さを改めて実感できます。このカワイイが永遠につづいていきますように! そう願って会場を後にしました。
ⓒ 2022 SANRIO CO., LTD. APPROVAL NO. SP630002
「サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史」
期間:2022年10月7日(金)〜12月11日(日)
開館時間:10:00〜18:00 (展示室への入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日
会場:京都市京セラ美術館 本館 北回廊2階
観覧料(税込):一般1,800円/高大生1,200円/4歳〜小中生800円
展覧会の詳細は京都会場公式サイトをご覧ください。