映画『truth 〜姦しき弔いの果て〜』舞台あいさつ。3人の俳優の姦しさを伝えたい。

コロナ禍、表現の場を失った3人の俳優たちが立ち上がってつくった自主制作映画『truth 〜姦しき弔いの果て〜』は、女性たちの本音バトルが炸裂するシニカルコメディ。メガホンをとった堤幸彦監督にとっては、本作が監督50作にあたります。

記念すべき節目の作品にインディーズ映画を選んだのは、どのようなわけがあるのか? 2022年1月7日(金)の公開に先駆け、シネ・ヌーヴォにて開催された〈堤幸彦監督映画50作公開記念上映会〉にて特別上映された本作。上映後には堤幸彦監督、主演の広山詞葉、福宮あやの、河野知美が登壇し、映画さながらの姦しいやり取りを披露してくれました。

 

コロナでしおれていたころ、骨太な3人から仕事をいただいた。

映画の特別上映後に堤監督と3人の主演俳優が登壇すると、そのなかのひとり、元ヤンでシングルマザー・栗林マロンを演じた福宮あやのさんの手には小さな赤ちゃんが。「実は妊娠中にこの映画に出演。だからこの子は出演者」と説明し、会場の雰囲気をやわらかくします。会場となるシネ・ヌーヴォにはミニシアターらしいゆるやかな雰囲気があり、それとあいまって舞台あいさつはアットホームに進行。美貌の受付嬢・九条真弓役の広山詞葉さんが「(シネ・ヌーヴォの最寄り駅)九条駅で降りた、九条真弓」という小ネタを披露すると、謎多き医師である小林さなを演じた河野知美さんはそのネタを広山さんが移動中にあたためていたことを暴露します。

 

メガホンをとった堤監督は本作が記念すべき50作であることにふれ、「50本というのは単なる数字。この先を目指してがんばっていこうとしたところ、コロナで厳しい状況になってしおれていた。そこに、骨太なこの3人から仕事をいただいた」と経緯を披露。「内輪のギャグに終わるのかな? と思っていたら、なかなか骨太のテーマを与えてくれた」と作品への手応えも語ってくれました。

 

イギリスの観客が、こんなにも笑ってくれるとは。

舞台あいさつでは堤監督が進行役を担当。本作の見どころを3人に質問すると、広山さんが「全部が見どころ。コメディとシリアスが常に押し寄せてくる堤監督の真骨頂の作品」と熱く語る一方で、福宮さんは「声優なので大きな画面で自分の顔を見てびっくり。けっこう顔芸をしていました」と白状し、河野さんにいたっては「見どころは…、なんですかね?」と監督に逆質問してしまう始末。映画の内容さながらにそれぞれのキャラクターが際立つかけ合いを見た堤監督は、「(この舞台あいさつで)主演の3人がいかに姦しいかを伝えたかった」といい、それが実現して満足顔になります。

 

また、本作は海外で高評価を得ており、すでに6カ国の映画祭で賞を獲得。最優秀コメディ賞に輝いたイギリスの「ノースイースト国際映画祭」には広山さんや河野さんも出席し、現地の上映にも立ち会ったそうで「(イギリスのお客さんが)こんなにも笑ってくださるのかってくらいの爆笑だった」ことを報告。堤監督が「気づいていないかもしれないけど、3人はおもしろい顔なんだよ」とコメントすると、3人は“そうきたか”と反応しつつ「国際コメディ女優ってことですよね? それはうれしいかも」と見事な応答をみせていました。

 

『truth 〜姦しき弔いの果て〜』は、2022年1月7日(金)から全国で公開。大阪では、シネ・リーブル梅田で上映します。舞台あいさつの最後には堤監督が「わたしたち4人とスタッフがコロナを忘れてつくりました。お気に召したら、たくさんの人に伝えてください」と締め、観客からの拍手に包まれていました。

映画『truth 〜姦しき弔いの果て〜』

2022年1月7日(金)より、シネ・リーブル梅田で公開。

京都みなみ会館(近日公開予定)や神戸アートビレッジセンター(2022年3月18日〜)などでも公開予定。

公式サイト:https://truth-film-japan.com/

 

masami urayama

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