特別展「よみがえる承久の乱 ―後鳥羽上皇vs鎌倉北条氏―」 800年前の戦いの記憶を現代へ。

承久3年(1221年)に起こった「承久の乱」。後鳥羽上皇が北条氏率いる鎌倉御家人に合戦で敗れ、隠岐に流されたこの前代未聞の事件から、今年で800年。近年、進展が著しい当該期の最新の研究成果を踏まえ、この時代に活躍した人々の息吹を伝える古文書や絵画などを展示した特別展「よみがえる承久の乱 ―後鳥羽上皇vs鎌倉北条氏―」が京都文化博物館で開催されています。(〜5/23まで)

 

800年前の戦い。その記憶から歴史をリアルに感じる。

「承久の乱」は日本で起こった有名な内乱。歴史に詳しくない人でも概要は知っているのではないでしょうか。とはいえ、教科書や時代劇、歴史小説のなかにある遠い昔の出来事としてリアリティは薄く、架空のことのような気さえしてきます。

 

特別展「よみがえる承久の乱」は、800年前に起きた戦いの記憶に迫る展覧会。今に伝わる古文書・肖像画・刀剣・仏画などから、皇族・貴族・武士・僧侶などその時代に生きた人々の想いやエナジーにふれられることで、遠い存在だった歴史上の出来事をリアルに感じられる展示になっています。

今回集結した作品は、国宝22点、重要文化財12点を含む約160点。この時代の研究は近年かなり進んでいるそうですが、「承久の乱」にスポットを当てた展示でここまで大規模なものは日本ではじめてだといいます。800年の時を超え、日本史のなかでも重要だと位置づけられる戦いにふれられる貴重な体験ができる展覧会なのです。

 

約80年ぶりに再発見された「承久記絵巻」を公開。

それぞれに興味深い作品群のなかで、とくに注目したいのが約80年ぶりに再発見された「承久記絵巻」。「承久の乱」の経緯が全6巻で描かれており、現存する唯一の絵巻だといわれています。

本展では、前期(4月6日〜4月25日)と後期(4月27日〜5月23日)で巻き替えて全巻を公開。なかでも見どころとなる第二巻には「鎌倉御家人の作戦会議」だとされる場面が描かれ、歴史資料としてはじめて当時の最高権力者であった北条義時の姿が確認できます。こちらは通期で展示されているので、お見逃しなく。

 

また、期間中には「京都市交通局×よみがえる承久の乱 スタンプラリー」を実施。京都文化博物館、泉涌寺、地下鉄五条駅、地下鉄二条城前駅の4か所をめぐってスタンプを集めると、オリジナルの缶バッチがもらえます。(詳しくは公式サイトをご覧ください)

 

特別展「よみがえる承久の乱 ―後鳥羽上皇vs鎌倉北条氏―」

開催期間:2021年 4月6日(火)− 5月23日(日)
<前期> 4月 6日(火)− 4月25日(日)
<後期> 4月27日(火)− 5月23日(日)

開室時間: 10:00〜18:00 金/10:00〜19:30(入場は30分前まで)

休館日:月曜日(5月3日は開館)

会場:京都文化博物館 4階・3階展示室

料金〈当日〉:一般 1,500(1,300)円、大高生1,100(900)円、中小生500(300)円〈税込〉※( )は20人以上の団体料金。

公式サイト:https://www.bunpaku.or.jp/exhi_special_post/yomigaerujoukyuunoran/

masami urayama

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