『サッカークラブを通じた地域創生を目指して!』 和歌山県の紀南地方を中心に活動を予定しているサッカークラブ「南紀オレンジサンライズFC」のリレーコラム。第七回目は代表の森永純平より「農業」をテーマにした投稿です。
【農業との関わり方】
南紀オレンジサンライズFC代表の森永です。今年の1月からスタートしたこちらのリレーコラムにて、クラブに関わるスタッフや選手の意気込みを発信させていただきました。今回はクラブの「農業」に関わる活動をまとめていきたいと思います。「サッカークラブ×移住×農業」というテーマを掲げている通り、南紀オレンジサンライズFCの活動において中核を担うのが「農業」です。
※活動地域であるみなべ町と田辺市は梅が有名です。
選手や監督を募集するよりも前に、まずクラブとして取り組んだのが「借りられる畑を見つける」ことでした。地元の方のお力添えもあり、昨年の11月頃になんとかクラブ独自で使わせてもらえる畑を確保することが可能になりました。今回お借りした梅畑はそこまで広いわけではないのですが、まずはそこで梅の栽培から収穫までをきちんと出来るという実績を積み重ねていくことで、少しずつ管理出来るスペースを増やしていきたいと考えております。梅畑を借りようと思った理由は2つあります。
【梅畑を借りた理由①:農業のスキルを身につける】
まず1つめの理由は、選手やスタッフが農業のスキルを身につける場を用意したかったということです。基本的に、スタッフやこれから集まってくる選手には農業経験がないことが前提となります。その状態で、いきなり農家さんのもとで働いたり農作業を中心に生計を立てたりというのは、現実的に考えてかなり難しいです。
なので、平日は地元の企業で働きながらサッカーに取り組んでもらいます。そして、土日で公式戦や練習試合をこなしつつ、その空き時間で農業のスキルを身につけていけるような仕組みをクラブとして構築していきたいと思っています。
※ 南紀オレンジサンライズFCは現在選手を雇用していただける企業様を募集しており、2021年6月25日(金)時点で15社程度の企業様にご了承をいただいています。(およそ半分が、梅の栽培・加工・流通・販売に関わる企業です。)
【梅畑を借りた理由②:選手のセカンドキャリアに農業という選択肢を作る】
2つめの理由は、選手のセカンドキャリアに「和歌山県に定住して農業」という選択肢を作りたかったということです。移住というテーマを掲げている通り、南紀オレンジサンライズFCに入団するのは県外出身の選手が多くなる予定です。そして、そういった選手に出来るだけ長く在籍してもらい、プレーを続けてほしいと考えています。
将来的には、引退後も和歌山県に定住し、農業を続けてくれる選手が出てくるのが理想です。そのためには、引退する選手に農業のスキルが備わっていることと農業に取り組める環境が整備されていることが必須条件になります。なので、現役の間にある程度農業に関わってもらうというのはもちろんのこと、クラブとしても自分たちで管理している畑で引退後の選手たちを受け入れられるような状態にまで持っていければと思っています。
【農業体験の実施】
梅の繁忙期は6月頃です。この時期は普段ご夫婦でされているような農家さんもアルバイトを雇って梅の収穫作業に取り組みます。そこで、5月中旬から6月末にかけて「農業体験」と題し、クラブの選手・スタッフ数名がみなべ町の梅農家さんのもとで働かせていただきました。また機会があれば、参加者の体験談をこちらのコラムにて掲載させていただきます。
今回の農業体験に参加してもらった選手・スタッフおよび監督やコーチに関しては、来年から農家さんのもとで働きながらサッカーに取り組んでもらう予定です。そこで農業についてのスキルや知識を身につけ、他の選手・スタッフにも伝えていってもらえればと考えております。
【最後に】
ここで南紀オレンジサンライズFCからお知らせがあります。
この度、
・移住と農業を組み合わせたサッカークラブの可能性を多くの方に知ってもらう
・南紀オレンジサンライズFCが携わっていく地域の魅力を発信する
・クラブの運営資金の確保(荷物車の購入、ユニフォームの製作、サッカー協会への加盟登録料など)
を目的として、2021年7月1日(木)よりクラウドファンディングを実施いたします。
タイトル:移住と農業を組み合わせた新しい形のサッカークラブを始動させたい!
目標金額:500万円
募集期間(予定):2021年7月1日(木) 〜 8月27日(金)
プロジェクト公開URL:https://camp-fire.jp/projects/view/433899
現在の日本において、アマチュアのスポーツチームが競技だけで多くの人に価値を与えることは非常に難しいというのが現状です。その中で重要なのは、スポーツ自体の競技力を向上させるだけではなく、地域が抱える問題を解決するための活動をクラブの日常に組み込むことだと考えております。その活動の積み重ねが、「スポーツ(サッカー)」と「それ以外の取り組み(移住と農業)」双方の価値を高めることに繋がるのではないかというのが、和歌山県を拠点に南紀オレンジサンライズFCを立ち上げた理由です。
今回のプロジェクトを通じて、一人でも多くの方に南紀オレンジサンライズFCや農業、地方への移住に興味を持ってもらうとともに、今後このページをご覧いただいた皆さまと一緒に活動できるようなことがあれば、これほど嬉しいことはありません。スポーツを通じた地域創生のモデルケースを作るべく始動する南紀オレンジサンライズFCへのご協力をよろしくお願いいたします。
南紀オレンジサンライズFCの最新情報はホームページや各種SNSからご確認ください。
ホームページ:https://nankifc.com/
Twitter:https://twitter.com/nanki_fc_2020
Instagram:https://www.instagram.com/nanki_fc_2020/
※過去のコラムはこちらからご覧いただけます。
【南紀オレンジサンライズFCコラム #1】サッカークラブの新たな可能性
【南紀オレンジサンライズFCコラム #3】自分なりにチームをサポート出来ること!!
【南紀オレンジサンライズFCコラム #5】好きなことに生きる
【南紀オレンジサンライズFCコラム #6】スポーツ選手を育成する
プロフィール
森永 純平(もりなが じゅんぺい)
1988年10月6日生まれ。京都府出身。
同志社大学スポーツ健康科学部を卒業後、独立リーグ(野球)や地域リーグ(サッカー)のチームスタッフとしてスポーツの現場に携わる。その経験を活かし、2020年より「移住を絡めたサッカークラブ」として南紀オレンジサンライズFCの設立に向けて動き出す。