マズい男vsヤバい男。陰謀に巻きこまれていく刑事とそれを追う謎の監察官が織りなす96時間を描くノンストップエンターテインメント映画『最後まで行く』が5月19日(金)から全国公開。2014年に公開された韓国の大ヒット作を『新聞記者』で日本アカデミー賞を受賞するなど今の日本映画を牽引する藤井道人監督がリメイクした作品で、主人公の刑事・工藤を演じるのは藤井監督と初タッグとなる岡田准一さん。数々の藤井監督作品に出演している綾野剛さんがエリート監察官・矢崎役として工藤と対決し、手に汗握る極限のクライムサスペンスが展開されています。
5月10日(日)には、公開を記念したイベントを大阪・とんぼりリバーウォークで開催。岡田准一さん、綾野剛さん、藤井道人監督が船に乗って登場すると集まった観客から歓声が沸き、大阪ミナミのど真ん中・道頓堀は最高潮の盛り上がりをみせました。
大阪は、岡田准一さんを生んだ街なので間違いがない。
今回の会場は、大阪を代表する河川のひとつ・道頓堀川。岡田准一さん、綾野剛さん、藤井道人監督が映画のカラーであるブラック&イエローにラッピングされた船に乗って登場すると、公式サイトの募集などから集まった4,000人もの観客が大きな歓声を上げます。さらに、MC・オオヌキタクトさんからの「映画『最後まで行く』が、大阪に来た―!」という声で紙吹雪が乱舞。美しく印象的な演出でイベントはスタートしました。
最初に岡田さんが「ひらパー兄さんです。おまっ!」とあいさつすると、観客も「おまっ!」と応えて早くも大阪らしい雰囲気に。その熱を受けた綾野さんは「(岡田)准一さんと監督と大阪の舞台に立てて興奮しています」と語り、藤井監督も「大好きな兄貴二人と最高の映画をつくりました。自分がこんなにおもしろい映画がつくれるんだっけ? と思うくらい、いい映画ができたので楽しみにしていてください」と自信をのぞかせます。
ここ大阪は岡田さんの出身地。その土地での公開記念イベントに「とにかくあたたかくて、愛情をすごく感じる」と綾野さん。藤井監督も「岡田准一さんを生んだ街なので間違いがないと思っています」と大阪への信頼感を口にします。「大阪を代表して東京で仕事をしている」という岡田さんは、「地元のみなさんから、この映画のよさを広げてもらいたい」と話題の広がりを期待していました。
初の共演者として、ひらパーコラボポスターに綾野剛さんが出演!
岡田さんは〈超ひらパー兄さん〉として、ひらパー(ひらかたパーク)の園長を10年務めています。その縁で岡田さん主演の映画とひらパーは毎回コラボポスターを制作しており、今回ははじめて共演者も出演。綾野さん自ら出演を希望したことを岡田さんが明かします。「ひらパーに伝えても誰も信じてくれなかったけど、事務所に聞いてみたら?っていって。そしたら、本当に綾野くんが(事務所に)つなげてくれていて、即日OKがでた」そうです。完成したポスターを見た綾野さんは、「ひらパーファミリーのなかに入れた喜びで、めちゃくちゃうれしかった!」と感激。藤井監督も「どんなコラボポスターになるのか楽しみにしていました。そうしたら、(綾野)剛さんもでてくれて、すごく大好きなものになりました」と満足感を表します。
ひらパーと映画のコラボでは、毎回ユニークな切り口で〈そうきたかぁ〜〉と笑わせてくれるパロディポスターを制作。今回は、「最後まで行く」にかけた「背後まで行く」というコピー&ビジュアルになっています。実はビジュアル案はいくつかあったそうで、「〈背後まで行く〉のほかに、〈サイドまで刈る〉というのもあった。どっちにするか競って、背後まで行くが勝利しました」と岡田さん。さらに、使用画像は既存のものを二次使用するのではなく、撮り下ろし。撮影日には綾野さんから岡田さんに連絡があり、「〈今からひらパーの撮影に行ってきます〉とメールがきて、〈悔いなくがんばってね〉と返しました。そんなに気合をいれてくれて、嬉しかったですね」と撮影前のエピソードも披露してくれました。
役に入り込んだ綾野さんから、漫画の吹き出し音が聞こえるようだった。
長年、日本映画で活躍している岡田さん。近年さまざまな話題作を発表している藤井監督への期待も大きいようで、「映画界の希望といわれている監督で、普通に並んだら5年待ち。スタッフも全員が優秀で、いっしょにできてうれしい」と今作での初タッグを喜びます。
また、綾野さんと岡田さんは13年ぶりの共演。綾野さんは、岡田さんと共演できて毎日が幸せだったといいます。「お芝居はもちろん、アクションや現場での話し方とか、そのすべてが学びでした。役を通して、(岡田さんを)リスペクトしている気持ちが漏れてしなわないようにするのが一番大変でしたね」と告白。
本作で岡田さんと綾野さんは、追われる男と追う男として対峙しています。がっつり向き合う芝居をして岡田さんの印象は変わったか? と問われた綾野さんは「人間力やまぶしさみたいなものはずっと変わらないし、それが自然にできているところがすごい。技術やアクションなどは成長していると思いますが、それを振りかざしたりするわけでもありません。ただただ真摯に向き合ってくれる姿勢が、ぼくは大好きです」とベタぼれの様子。対する岡田さんも、綾野さんが役者として全力で役と向き合っている姿がまぶしかったといいます。「お芝居に向き合うというのは、すごく苦しい作業。(綾野さんからは)嘘をつかずに真摯に役と向き合って、傷つき苦しみながら現場に立っている、揺るがない背中のようなものを感じました。それに、〈よーい〉っていわれる前から役に入り込んでいって、だんだん血管が浮き上がってくるんですよ。“ムムムム”って漫画の吹き出し音が聞こえるような入り込み方をしていて、おもしろいな、頼りになる役者さんだなと思いました」。
キュートで愚か、とまどっている岡田さんを撮りたかった。
映画『最後まで行く』は、極限の4日間を描くノンストップエンターテインメント。何作もの藤井作品に出演している綾野さんにしてもそのスピード感は凄まじかったようで「いつもの3倍くらいのスピードを感じて、これを(岡田)准一さんといっしょに成し遂げなければいけないという難題をいただいた」と打ち明けます。
完成した作品には、リスペクトし合う役者たちがかってないほどの熱量でぶつかり合う姿が収められており、藤井監督も「見たことのない岡田准一さんと綾野剛さんが観られる映画」だと太鼓判を押します。
演出をした藤井監督に二人の印象を聞くと、主演の岡田さんは「限りなく完璧に近い印象を受けました。アクションやお芝居もそうですが、なによりも映画に向き合う気持ち。心構えや礼節など、そのすべてでスタッフたちの意識を上げてくれます。現場でフロアディレクターをやってくれるなど、兄貴みたいなところもありました」。一方の綾野さんに対しては「『ヤクザと家族 The Family』からいっしょに映画をつくらせてもらっていますが、今回は〈最高に狂った綾野剛さんを撮りたい〉とお願いしました。撮影では思いっきり狂ってくれて、毎日モニターの前でニヤニヤしながら見ていました」と、その確かな演技力を讃えます。
また、主人公である工藤は情けなさやコミカルな面も持ち合わせており、藤井監督は「キュートで愚か、常にとまどっている岡田さんと撮りたかった」と狙いを語ります。工藤を演じた岡田さんは笑いをつくるむずかしさを語りつつ、緊張感とコミカルさが共存した本作の魅力を伝えます。「大阪の人だったらわかっていただけると思うのですが、笑いと狂気は紙一重。どんどん笑っていたら狂気にもなっていくし、狂気から笑いにもなっていく。そういう意味でも、この作品は関西人のツボをつく映画になっているんじゃないかな」。
最後のあいさつでも岡田さんは本作への自信を語り、「胸を張ってみなさんに〈おもろいで〉といえる作品ができたと思っています。たくさんの方に勧めていただいて、ぜひ公開初日から三日間以内に観てください。〈大阪はめっちゃ人が入っているらしいで〉となれば全国に広がっていきますので、劇場で観てもらえたらうれしいです。今日はありがとうございました」と大盛況のイベントを締めてくれました。
映画『最後まで行く』
5月19日(金)から、TOHOシネマズ梅田、大阪ステーションシティシネマ、TOHOシネマズなんば、T・ジョイ京都、TOHOシネマズ二条、OSシネマズミント神戸、109シネマズHAT神戸などで公開。
公式サイト:https://saigomadeiku-movie.jp/
配給:東宝
©2023映画「最後まで行く」製作委員会